リモートワーク時代の今こそ見直したい、「伝わらない」伝え方

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こんにちは、ライターの花房です。

この一年で日本の働き方は劇的に変化しましたよね。テレカン、リモートワークが当たり前になりました。弊社でも昨年の「全国を対象とした緊急事態宣言」が発令された際には、約一ヵ月間リモートワークを実施しました。思い返せば、当初は多少の戸惑いがあったように思います。ですが、会社に行かないと働けない、それはただの思い込みだったと気づかされました。

リモートワークを経験してみて、気づいたことがもうひとつあります。
それは、「伝え方の重要性」です。

伝え方の重要性

対面からリモートにシフトしたことによって、ビデオ会議のほか、メールやチャットでやり取りをする機会が圧倒的に増えました。話せばフツウに伝わっていたことが、文章になると途端にうまくいかない。そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。
私も仕事をしていて、メールやチャットツールをとおして、指示を受けたり出したりすることがよくあります。そんなとき、書かれている文章の意味が理解できないこともしばしば……。相手の意図を正しく読み取れなくてモヤモヤすることがありました。

なぜ理解できないんだろうと、自分なりに考えてみました。読解力の問題? 可能性としてはあるでしょうが、本筋から逸れてしまうので本記事では言及しません。私が気づいたのは、読解力のありなしに関わらず、理解できない文章というのが存在するということです。

それは、「2つ以上の意味にとれる」文章です。

こちらについては後で詳しく説明しますが、そもそもなぜこんな文章を書いてしまうのでしょうか。そこには、書き手、つまり伝える側に「甘え」があるのでは?と思うのです。こう書いておけば、まあ伝わるだろうと思って、書いている。相手に委ねすぎ。相手が誰であろうが、わからないものはわかりません。伝わるというのは、誰が読んでも「誤解なく伝わる」ことです。文章を書くのがニガテだから書けない、では済まされません。それは、「私は仕事ができません」と言っているのと同義です。

考えてみてください。
一回のやり取りで伝わることが、うまく伝わらない結果、二回、三回になる。すなわち二倍、三倍の時間を使うわけです。はっきり言って、その時間はまったくの無駄です。もったいない。その時間を使って他の仕事を進められたはずです。そんなことが積み重なっていくと、一ヵ月では、一年では、決して黙認できないような数値に膨れ上がっていくでしょう。

相手に毎回「どういうことですか?」と聞き返されるのは、論外と心得たほうがいい。しかもこれ、自分だけではなく、相手の時間まで奪っているということですからね。自分が発信しようとしている文章ともっと真剣に向き合うべきです。

2つ以上の意味にとれる文章に注意

じゃあ、どうしたらいいの?と思いますよね。ここで、先に挙げた「2つ以上の意味にとれる」文章について見ていきましょう。

以下のメール文を読んでみてください。

お疲れ様です。
仕様についての打合せの日程は、デザインを担当することになっているAさんの知り合いのBさんに確認してください。
よろしくお願いします。

ここで問題です。
デザインを担当するのはAさんでしょうか? それともBさんでしょうか?

答えは、「わかりません」です。この文章からでは、Aさんなのか、Bさんなのかを正確に判別することは不可能だからです。

読点を付ける

そういうときは、読点(とうてん)を付けましょう。読点とは「、」(テン)のことです。

デザイン担当がBさんの場合は、

仕様についての打合せの日程は、デザインを担当することになっている、Aさんの知り合いのBさんに確認してください。

こうすることで、「デザインを担当することになっている」という修飾語は、「Bさん」のほうにかかってきます。

このテンのありなしが、伝わる文と伝わらない文の分かれ道です。ぜひテンを付けてください。それだけで一発で伝わるようになりますから。

ちなみにデザイン担当がAさんの場合は、

仕様についての打合せの日程は、デザインを担当することになっているAさんの、知り合いのBさんに確認してください。

これだとやや強引な気もするのであるいは、

仕様についての打合せの日程は、Aさんの知り合いのBさんに確認してください。ちなみに、デザインを担当することになっているのはAさんです。

こんな感じでしょうか。

抽象的な表現をしない

それと、このような抽象的な表現をしている場合にも注意が必要です。

Xシリーズの商品アイテムを少し増やそうと思うので、今週中に商品説明文の作成をお願いしていいですか?

「少し」ってどのくらいでしょうか? 1アイテム? 5アイテム? 10アイテム?

この情報だけで答えを出すのは難しいと言わざるを得ません。1、2アイテムなら大丈夫と思って受けたはいいが、フタを開けてみたら10アイテムだった。「思ってたのと違う‥‥‥」と痛い目を見るかもしれませんからね。

あなたにとっては「少し」でも、私にとっては「少しじゃない」。なんだか夫婦ゲンカとかでよくありそうですね。

もうひとつ。

できるだけ早めにお願いします。

これ、めちゃくちゃよく見ます。見たくもない悪魔のようなワード。「なるはや」というやつですね。

だからいつまでに?と言いたくなります。というか言っちゃいます。イコール、余計な工数が増えます。

なぜこのような抽象的な表現を使ってしまうんでしょう? たぶん、相手への配慮だと思うんです。「できるだけ早めに」の前にはきっと、「他の仕事でお忙しいと思うので」という言葉が隠れているんでしょう。でもこの場合の本当の配慮は、期限を具体的に設定してあげることなんですよね。これは一見相手を縛り付けているようですが、実は逆です。今すぐ取り掛かったほうがいいのか、仕掛かり中の仕事を終わらせてからでも間に合うのか、手持ちの仕事とにらめっこしながら相手が自由に優先順位を決められるからです。その日までに仕上げなければならないということは裏を返せば、その日までに仕上げればOKということですからね。

一方で例に挙げた「できるだけ早めに」だと、受け手によっては、強制的に「今すぐ」になってしまいます。本当は来週中に取り掛かっても問題ないにも関わらず。だって、やろうと思えばできますもん。無理をすればたいていのことはきっと。
でも考えてほしいのは、本当にそんなに無理をさせる必要があるのかということです。「そっちが勝手にしたことでしょ」とは言ってほしくないですね。送信ボタンをクリックまたはタップする前に、自分が書いた文章をぜひ一度見直してみてください。

さいごに

終始愚痴っぽくなってしまいましたが、本記事で特定の誰かを責めようとしているわけではないことをご理解ください。むしろ自分自身に対して、きちんと相手に「一発で」伝わる伝え方ができているか?と問いかけながら書いたつもりです。
読んでいただいた方にも、「これやっちゃってるな」と思い当たるところがもしあったなら、改善のきっかけにしていただけたら幸いです。どこにいても仕事ができる今の時代だからこそ、伝える力はより重要で、多くのビジネスパーソンが身に付けるべき武器だと思います。