Adobe Lightroom Classicで商品の魅力が伝わるRAW現像とレタッチ方法

スタッフブログ

前回のブログでは商品をよく見せる為の写真の現像・レタッチについてご紹介いたしました。
今回は前回の内容を踏まえて、私が普段使用しているソフト「Adobe Lightroom Classic」での、RAWデータの現像・レタッチの作業工程を紹介していきます。
現像・レタッチのソフトで迷われている方や、Adobe Lightroom Classicを導入してみようかとお考えの方は是非参考にしてみてください。

水平垂直を整える

調整の前と後で比べると、調整後は水平垂直が整っていて綺麗に商品が見えます。
特に正面の画像は水平垂直が崩れていると見た目の不格好さが気になります。撮影の段階で気を付けることも大切ですが、現像の時にもある程度は調整することが可能です。

主に変形の「垂直方向」「水平方向」「回転」の調節バーを左右に動かしたり、数値を入力したりして調整していきます。

各調整の調節バーや数値にカーソルを当てると、写真の上にグリッドが表示されるので水平垂直の調整がとてもしやすいです。

ちなみにUprightの「自動」「水平方向」「垂直方向」「フル」を押すと自動で調整してくれるので便利です。調整の内容は下記の通りです。

自動…写真全体のバランスを取って水平と素直を調整
水平方向…水平方向の歪みの調整
垂直方向…垂直方向の歪みの調整
フル…遠近法の自動補正と水平と素直を調整

選ぶものによっては写真の写り方の影響でバランスが崩れた状態になる可能性もありますので、いろいろ試しながら調整してみてください。

「ガイド付き」を押してから写真上でドラッグするとガイドの線が表示されます。そのガイドの線を水平線、垂直線に合わせたい箇所に沿って引くと自動で写真全体を調整してくれます。

明るさを調整

こちらは屋外で撮影した自然光の写真ですが、調整の前と後では全くもって印象が違います。
春の爽やかな雰囲気を意識して全体を明るくやわらかな印象にするよう心がけて調整を進めていきました。

基本補正の「階調」で明るさの調整をしていきます。どれか一つだけで調整をせずに、全体を少しずつ調整しながらバランスを整えることで調和のとれた印象になります。
各調整の方法を簡単にご説明します。
いろいろ書いていますが、Lightroom Classicは各調整のバーを左右に動かすだけで調整が出来るので、現像の知識が無くても誰でも簡単に調整できるのが良いですね。

・露光量
光の量を調整して明るさを変えられます。数値を上げると明るくなり、下げると暗くなります。
多少暗いところで撮影していても、露光量を調整することで写真全体の明るさがあがり、暗く見えない箇所も見えるようになります。

・コントラスト
明暗の差を調整することができます。数値を上げると暗く濃くなり、数値を下げると白く薄くなります。

・ハイライト&シャドウ
ハイライトは写真の中で明るく白飛びしてるなと思う箇所を調整しやすく、数値を低くすることで白飛びを抑える事が出来ます。
シャドウは影の部分の調整ができ、影が暗すぎて見えにくいなと思う箇所も数値を上げると明るくなって明るい印象に変わります。
こちらの2つはどちらかを触ったらどちらかを調整するように進めると全体の写真のバランスを取りやすくなります。

・白レベル&黒レベル
先程のハイライト&シャドウに少し似てますが、白レベルは写真の中で一番明るい箇所、黒レベルのは写真の中で一番暗い箇所の調整を行うことができます。
白レベルは数値を上げて明るさを加えることができて、黒レベルは数値を下げて暗く調整します。

必要のない部分を削除

撮影の時に不要なものがどうしても写り込んでしまって、後から現像の時に気づくなんてこともあると思います。細かいホコリも肉眼で見るのには気づかないものですが、現像すると目立ってしまう事もあります。
そんなときには「スポット補正」という機能を使って補正します。写真の点線で囲んでいる箇所を見比べてみてください。スポット補正を使用すると、こんな風に白く写り込んでるものを消して、綺麗に回りの背景と馴染ませる事が出来ます。

スポット補正の「修復」を選び、消したいゴミの部分をブラシでなぞります。

すると、自動で先程なぞった範囲と同じサイズで近くの背景がコピーされます。範囲は自由に移動できるので、いい感じに馴染む場所へ範囲を移動させると綺麗な仕上がりになります。
サイズやぼかし、不透明度も調整が出来て、簡単に修正が出来るのでとても便利な機能です。

質感をこだわり差をつける

明るさや色味だけでなく写真の質感でも印象は随分変わってきます。
基本補正の「外観」の箇所で調整すると、輪郭が柔らかくなったり、シャープになったりと印象を変える事が出来ます。

外観の「明瞭度」を基本軸で調整していきます。
数値を上げると輪郭がシャープになってメリハリが付く事でかっこいい印象になります。逆に数値を下げると輪郭がふわっと柔らかくなり優し気な印象になります。
明瞭度を調整すると写真の印象が変わるのが一目瞭然です。

まとめ

Lightroom Classicさえあればそこまで写真についての知識が無くても現像・レタッチが自由にできるので、改めてすごく便利なソフトだと思います。
前回と今回のブログでは基礎的な現像・レタッチについて書いていきましたが、まだまだLightroom Classicには現像・レタッチのための機能がたくさんあります。かなり奥が深く、私自身もまだまだ勉強中です。
こんな写真にしたいという、自分の理想を叶えることができるソフトなのでさらに技術を磨いていきたいです。今後もおすすめの現像・レタッチの方法があれば書ければと思います。