行動経済学をコピーライティングに応用してユーザーの心を掴む

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こんにちは、ライターの花房です。

皆さんは「行動経済学」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

物販をしていると、何でこんなに売れているの?という商品に出くわすことがあります。安いから、上質だから、あるいはかっこいいだから。どんな理由をイメージしてもしっくりこない、「なぜか売れる」商品。もっと安くて、もっと上質で、もっとかっこいい商品はたくさんあるはずなのに……。

そんなとき、行動経済学がテーマにしている理論を用いると理由が見えてくるかもしれません。

なぜなら行動経済学は、

人間がかならずしも合理的には行動しないことに着目し、伝統的な経済学ではうまく説明できなかった社会現象や経済行動を、人間行動を観察することで実証的にとらえようとする新たな経済学
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)

だからです。

この行動経済学が示すように、私たち人間は、ある状況下において合理的でない行動をしてしまうのなら、その状況を作ってあげることでヒット商品を生み出せるかもしれないなと。コピーライティングを通じてもしそれができれば、弊社のお客様にももっと喜んでもらえる提案ができていくはず……。

ちょうどそんなことを考えていたので、今回の記事では、数ある行動経済学のテーマからコピーライティングに役立つと思うものを厳選してご紹介したいと思います。

コピーライティングに役立つ行動経済学4選

フレーミング効果

例えば、「新型コロナウイルスの感染者数が10万人を超えました」というコピーがあったとします。コロナ関連の話題は毎日のように目にしたり耳で聞いたりしていると思いますが、「10万人」とか「100万人」という数字はインパクトがあり、身近に危機が迫っている感じを受けますよね。
でももし、「新型コロナウイルスの感染者は未だ日本人全体の0.1%以下」と書いてあったらどうでしょう。日本の人口は約1億2,000万人ですから、(感染者数)100,000人÷(日本人口)120,000,000人×100=0.08333%。嘘はついていません。にもかかわらず、ネガティブな情報がポジティブに変換されたような感じがしませんか?

このように、同じ情報であっても表現が変わると受ける印象が異なる事象を「フレーミング効果」といいます。人は、目の前にある情報(テキスト・画像・映像など)だけで判断する傾向があるため、逆の見方をすれば印象が変わるということに気づけないケースがあるそうです。「これはユーザーにとってはマイナスだから書かないほうがいいだろう」と思うことでも、視点を変えるとユーザーに刺さるコピーに化けるかもしれませんよ。

ハロー効果

何かを評価する際、目立つ特徴にのみスポットが当たり全体の評価をしてしまう事象を「ハロー効果(後光効果)」といいます。代表的な例を挙げると、勤めている会社や学歴などです。有名企業で働いている、○○大学の出身者というだけで、その人物を必要以上に高くあるいは低く評価してしまうことがあると思います。モノを買うときも同じで、そのモノの特徴を吟味したうえではなく、実はただ目立つ特徴だけで評価していたということが往々にしてあるのです。

○○ランキング第1位獲得!

というコピーをよく目にしますが、その理論でいくと仮に○○の部分が多少弱くても、ユーザーに刺さる可能性は充分ありそうですね。

新近効果

こちらは先ほどご紹介した「フレーミング効果」に少し近いかもしれません。

  • (Aさん) ここの旅館、料理は美味しかったけど高かったね。
  • (Bさん) ここの旅館、高かったけど、料理美味しかったね。

もしあなたが一緒に旅館に行った人にこの言葉をかけられたら、それぞれどんな気持ちになりますか?
人は複数の情報を並べて提示されたとき、後に提示されたほうを印象強く評価してしまいがちです。これを「新近効果」といいます。(“親近感”の親近ではなく、「新しく近い」の新近です)
そのため、全体としては同じ情報であっても、ネガティブなことを最後に伝えると相手はネガティブな印象を持ち、逆にポジティブなことを最後に伝えると相手はポジティブな印象を抱く傾向があるそうです。
先ほどの例文では、Bさんの言葉のほうがポジティブな気持ちになったのではないでしょうか。余談ですが、賞レースやコンペなどでは後のほうが有利とされるのはこの効果が働いているのかもしれませんね。

デフォルト効果

人は何かを選択をするとき、最初から設定されているデフォルト(初期値)に影響されることがよくあります。例えば「最高裁判所裁判官」の国民審査を思い浮かべてください。投票用紙には、審査を受ける裁判官の氏名が投票用紙に印刷されています。そして裁判官ごとに、辞めさせたい意思がある場合には「×」と記載し、なければ何も記載せずに投票するようになっています。
投票する人からしてみれば、よく知らない裁判官にあえて×を付けるのは、非常に抵抗感のある行為といえます。そのため、実際には初めの状態(空欄)のまま投票する人がほとんどです。このような、初期値からわざわざ変えようとはしない事象を「デフォルト効果」といいます。
サブスクリプション型のサービスを提供している会社の場合は、ユーザーに解約させない(解約するのはハードルに感じる)ような言葉選びが重要になってくるのは言うまでもありません。そんなときにはこのデフォルト効果の理論を活用できるのではないでしょうか。

まとめ

今回ご紹介した行動経済学のテーマはほんの一部です。調べていけばライティングに利用できそうな理論はまだまだありますし、人の経済行動は本当に奥が深いです。
ライティングに限らずデザイン等の制作全般、または販売や経営などにも活用できますので学ぶ価値ありだと思います。
この記事をきっかけに行動経済学に少し興味をもっていただけたら幸いです。