ドローン空撮の最初の一歩?国土交通省の飛行許可申請の重要性!

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ドローン操縦士の古谷です。
私がドローンを飛ばしはじめて1年少々経ちました。 そして、このたび2度目となる年間包括の無人航空機の飛行に係る許可・承認をいただきました。

昨今のドローン技術の進化から、ドローン空撮に憧れている方は多くいると思います。 ドローンは比較的簡単な操作で操縦できるので想像以上に簡単な導入が可能です。 ですが、無人航空機を飛行させるにあたり、飛行させる者は航空法に規定されたルールを厳守しなければなりません。 定められたルールは他航空機を守るためであったり、危険を回避する為の必要最低限の知識となり、航空機を飛行させるものは必ず知っておかなければならない事です。

私の現在の総フライト時間はおよそ18時間。 まだまだ駆け出しのひよっこではありますが、無人航空機を飛行させていただくにあたり、なぜルールを厳守しなければならないのかを振り返りながら、より一層今後の安全に繋がるよう、国土交通省航空局の無人航空機の飛行に係る許可の重要性等々をブログ記事としてまとめていきたいと思います。

無人航空機の飛行禁止区間と飛行方法について

ドローンの飛行ルールは平成27年9月の航空法改正により定められ、同年12月10日よりドローンやラジコンといった無人航空機の飛行ルールが導入されました。

無人航空機の対象範囲は下記の通りになっています。

飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(200g未満の重量(機体本体の重量とバッテリーの重量の合計)のものを除く)

つまり、200gをこえる無人航空機は飛行ルールの対象となります。

飛行ルールについて

飛行ルールには、飛行禁止区域と飛行方法の二つの区分が存在します。 これらのルールは航空法に関わる無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルールです。 その他では小型無人機等飛行禁止法(警察庁)や、各種条例などが存在します。

飛行禁止区域

下記の3区域は、無人航空機の飛行が禁止されています。

  • 空港等の周辺の上空の空域(A)
  • 150m以上の高さの空域(B)
  • 人口集中地区の上空(C)

禁止区域については、後ほど順に説明していきたいと思います。

飛行方法

無人航空機の飛行方法について、下記の通り定められています。 項目1~4は飛行をする際に必ず厳守しなければならないルールです。 項目5~10は禁止されている飛行方法となり、一定の要件を満す事で飛行許可が認められます。
※令和元年9月18日付けで、項目1~4が追加されました。

  1. アルコール又は薬物等の影響下で飛行させないこと
  2. 飛行前確認を行うこと
  3. 航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させること
  4. 他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと
  5. 日中(日出から日没まで)に飛行させること
  6. 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
  7. 人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
  8. 祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
  9. 爆発物など危険物を輸送しないこと
  10. 無人航空機から物を投下しないこと

禁止された飛行方法の一つである、項目7の『距離の確保』は、飛行方法の中では最も重要な項目です。 無人航空機を飛行させるうえで、30m以上の距離を保ちながら飛行させる事は想像以上に難しく、殆どの案件で該当してしまう事になります。 したがって、ドローン空撮を検討されている飛行士にとっては、国土交通省への許可申請が必須な項目と言えます。

飛行禁止区域ならびに、飛行方法の許可申請は、国土交通省が展開する、DIPS(Drone/UAS Information Platform System=ドローン情報基盤システム)から行うことが可能です。

200g未満の機体なら自由に飛ばせる?

200g未満の機体は、改正法の対象外となりますので、飛行禁止区間であっても飛行許可は不要となります。 ですが、自由に制限なく飛ばせるという事ではありません。 航空法に関する許可は不要となりますが、200g未満のドローンを飛行する場合であっても、敷地毎のルールや条例の確認は必要となります。 どんなに小さな機体であっても、人や物に危害や損害を与えてしまう可能性は考えられます。 大丈夫だろうという安易な気持ちで飛ばすのではなく、影響を与えてしまう事象を想像しながら、必要な許可や承認をしっかりうけた上で飛行を行いましょう。

なお、200g未満のドローンは、その大きさから自宅などの室内飛行も可能です。 200g以上のドローンを飛ばすにあたっても、練習に最適な存在なので是非利用してみてください。 ※ただし、200g未満ドローンを何時間飛ばしても飛行実績には含まれません。

飛行禁止区域その1.ドローン飛行の最大高度は地表150m迄

まずは、飛行禁止区域の中から、順番が前後しますが飛行可能な最高高度について『150m以上の高さの空域(B)』を見ていきます。

ドローンの最大飛行高度は、地表または水面から150m未満と定められています。 150mという高度は、ドローンの飛行能力から考えますと余裕のある高度設定で、高度150m以上を超える飛行も余裕で可能です。 では、なぜ150m未満の飛行が義務づけられているのか、答えは航空法にあります。

航空法を守らなければならない理由

無人航空機の飛行は、旅客機やヘリコプターと同じく航空法を遵守しなければなりません。 航空機がどのようなルールで飛行しているのかを見てみると、予め定められた飛行空域の区分に違いがある事がわかります。

一般的な旅客機やヘリコプターなどの航空機は、運航制限として離着陸以外での低空域の運航制限(※航空法第81条の最低安全高度)が定められています。 詳細な高度ルールとしては、航空法施行規則174条として、下記の通り飛行可能な最低高度が決まっています。

イ:人又は家屋の密集している地域の上空にあっては、当該航空機を中心として水平距離600メートルの範囲内の最も高い障害物の上端から300mメートルの高度

ロ:人又は家屋のない地域及び広い水面の上空にあっては、地上又は水上の人又は物件から150メートル以上の距離を保って飛行することのできる高度

ハ:イ及びロに規定する地域以外の地域の上空にあっては、地表面又は水面から150メートル以上の高度

普段私たちが何気なく利用している道路。 車や自転車を利用する際、歩いている時にさえも目に見えるからこそ意識はしていませんが、空にも予め規定された航空路が存在し飛行可能な空域が予め定められています。 これらの航空路(道)は、実際の目で視認する事はできませんが、詳細に定められ、航空交通管制によって安全な運航が図られています。

話しが逸れてしまいますので、ドローンの最高高度の話に戻ります。
無人航空機に設定されている最大高度150mも航空法によって定められた高度です。 航空法では離着陸を除き、航空機の低空域ゾーン(前述のイ、ロ、ハ)への侵入が許されていません。 つまり、どんなに低くとも150m範囲までの高度は、通常は飛行機が立ち入らない空域なのです。

以上の事から、150m未満までの高度範囲であれば、周辺空域の航空機に影響が及ぶ事はなく、安全性が確保されている事になりますので、無人航空機の飛行が認められているのです。 もちろん、飛行方法の項目3(航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させること)など、150m未満の空域であっても他航空機への注意・配慮は必要です。

150m以上の高度も許可申請で飛行は可能

150m以上の飛行が必要な場合は、国土交通省の定める申請書を提出し、許可が得られれば150m以上の空域飛行も可能となります。 業務としてどうしても150m以上の高度飛行が必要になりましたら、関係各所に相談をしながら飛行申請を行ってください。

飛行禁止区域その2.空港周辺・ヘリポートなどの周辺での飛行はNG!

3つある禁止区域のひとつとして、『空港等の周辺の上空空域(A)』でのドローン飛行は許可されていません。

空港等の周辺の空域は、空港やヘリポート等の周辺に設定されている進入表面、転移表面若しくは水平表面又は延長進入表面、円錐表面若しくは外側水平表面の上空の空域、(進入表面等がない)飛行場周辺の、航空機の離陸及び着陸の安全を確保するために必要なものとして国土交通大臣が告示で定める空域です。

航空機には前述しました通り、離着陸を除き最低高度が厳守されています。 この為、無人航空機(ドローン)の飛行空域150m以内に侵入してくる事は通常発生しません。 そして、航空機の離陸及び着陸は、通常は必ず空港やヘリポートを利用が厳守されていますので、空港やヘリポートのない空域であれば、離着陸を行う際ですらバッティングする事がないのです。

言いかえますと、空港やヘリポートは『航空機が、離陸及び着陸の安全を確保するための空域』です。 つまり航空機が離着陸の為の低空飛行を保証されている場所となりますので、空港周辺での無人航空機の飛行は認められていません。 無断で無人航空機を飛行させた場合は、取り返しのつかない重大な事故を引き起こしてしまう可能性があります。 知らなかったでは済まされない危険な行為になりますので、細心の注意のもと飛行可能エリア・禁止エリアを確認していきましょう。

飛行禁止区域その3.人口集中地区(DID地区)の飛行はNG!

人口集中地区は、英語表記では「Densely Inhabited District」と呼ばれる事から、DID地区という略称でも呼ばれます。 この人口集中地区(DID地区)も禁止区域のひとつです。

人口集中地区の上空(c)の定義は、下記の通りです。

人口集中地区は、5年毎に実施される国勢調査の結果から一定の基準により設定される地域です。当該地区の詳細については、総務省統計局ホームページ 「人口集中地区境界図について」をご参照下さい。

DID地区での飛行は重大事故に繋がる可能性も高く、国土交通省航空局への飛行申請が必須の禁止区域となっています。 禁止区域(ABC)の中では、人口集中地区(DID地区)が最も大きな制約だと言えるでしょう。

許可申請が、ドローン飛行士の第一歩!

大阪や東京といった過密地区では、殆どの地域が人口集中地区(DID)に該当します。 岡山県のような地方地域であれば、DID地区に該当しない空域も多く存在しますが、許可が不要な地域であっても、多くの場合で禁止された飛行方法『人又は物件から30m以上の距離を確保できない飛行』となるケースが想定されます。

国土交通省への許可申請は、無人航空機の飛行実績(10時間)を満たし、国土交通省が定める安全要件を満たすことができれば、承認してもらえるものです。 許可の承認が得られれば、DID地域での飛行はもとより、人・物件から30m未満の距離の飛行方法も認められますので、晴れてドローン飛行士としての第一歩を踏み出したと言えるでしょう。

許可申請はあくまでも通過地点です。 ドローン飛行は危険なものです。 何よりも重要なことは、知識をつけ、ルールを守り、安全を意識しつづけなければならないという事です。 今回、二度目の飛行許可をいただきましたが、私もドローン飛行士としての二歩目を踏み出したにすぎません。 趣味としても業務としてもそうですが、自由と責任はワンセットです。 ドローン技術の発展を潰さない為にも、ひとりひとりが責任感もった行動を心がけましょう。

今回は航空法を中心に記述しましたが、近年ではドローン普及に伴う事故が増えています。 その結果、観光地や公園などのルールとして飛行禁止エリアを設けている地域も多く見られます。 飛行にあたっては、飛行する場所の管理者(市役所、警察署、管理組織等)に事前確認をしたり、許可申請が必要ない地域や場所であっても、安全には可能な限り配慮し、第三者の人や物件への影響範囲や、他の無人航空機が飛行していないかなどを考慮しながらの飛行をお願い致します。

以上、基礎的な飛行ルールについてでした。 次回のドローン記事では、撮影方法を書いて行けたらと思います。