お客様に選ばれる商品を作り出すための「新しい価値」の見つけ方

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こんにちは、ライターの花房です。
先日財布を買い替えようかなと思い立ち、何の気なしにアマゾンで検索してみると、膨大な数の検索結果が出てきました。たくさんの商品が並ぶアマゾンや楽天市場のようなECモールではどれを買えばよいのか迷いませんか? 「ジャムの法則」という面白い実験結果がありますが、選択肢が多いからといって購入に繋がるとは限らないのですね。

そこでふと思いました。選ばれる財布と選ばれない財布の差は何だろうかと。

ということで今回はそんな疑問について、これまでの学びと経験をもとに考察していきます。基礎的な内容にはなりますが、商品の企画・開発に携わる方に、原点に立ち返る意味でも是非読んでいただきたいと思っています。そしてこの記事が、行き詰まった状態から脱却するためのヒントになれば幸いです。

お客様は何を見て選ぶのか

そもそもの問題として、お客様はその商品の何を見て購入するのでしょうか。
商品の価格? デザイン? 機能? もしくは、商品に付随するサービスなのかもしれません。もちろんお客様によって何を重視するかは千差万別です。また、同じお客様であっても商品によってそれぞれの優先度は変わってくるでしょう。たくさんの商品の中からお客様に自社の商品を選んでもらうためには、お客様に選ばれる理由を明確に設定する必要があります。

財布を例に挙げてもう少し具体的に掘り下げていきます。
まず、「価格」を選ばれる理由に設定してみました。最安値で財布が手に入る、という打ち出し方を検討します。
アマゾンで「財布」と検索し、価格の安い順番に並べ替えると一番上に出てくる価格は、なんと1円です。これは極端ですが、例えば品質にある程度こだわっていたとしても、「価格」を選ばれる理由に設定するとその先に待つのは、大手ECサイトや大量生産できる大手メーカーとの終わりなき価格競争ではないでしょうか。一方が安くすれば、他方がさらに安くする。利益率はどんどん下がっていき、体力のあるアマゾンのような大企業のみが残るような流れになっているのです。皆さんご存じのとおり、価格のみで勝負するのは非常に厳しいと言わざるを得ません。

では、価格以外で「選ばれる理由」を見出すにはどうすればよいでしょうか。

ターゲットを絞る

私はブログ記事を書く際、とにかく誰でもいいから読んでほしいと、つい万人受けしそうな記事を書きそうになることがあります。例えば新聞でも、政治面・社会面・経済面・スポーツ面等々細分化されていますよね。これは一口に新聞といっても、読む人によって知りたい情報が異なるからではないでしょうか。誰でもいいから読んでほしいというブログ記事は、きっと誰からも読んでもらえないでしょう。実際のところ、万人に受ける記事など書けるはずがありません。そんな記事は存在しないのです。商品やサービスもこれと同じことがいえます。「選ばれる理由」を見出すには、まずお客様を絞り込むことから始まるのだと思います。言葉を選ばずに言うと、絞り込んだお客様以外は捨てるのです。

オリジナルブランドの財布を取り扱うネットショップであれば、

  • とにかく安く買いたい
  • あればいい
  • 1~2年で買い替える
  • 海外のハイブランド好き
  • 個性的なデザインが好き

このあたりのユーザーは相手にしない、と決めます。

  • カードでの支払いがメイン
  • 長く使えるものがいい
  • どんな財布がよいのかよく分からない

一例ですが、そのようなユーザーのみをターゲットとして、ユーザーが価値を感じるであろう商品を模索していきます。
具体的なターゲット像が見えてきたら、次はそのターゲットのニーズを探っていきましょう。

ターゲットの潜在ニーズを想像する

マーケティングの世界では、「ニーズ」と「ウォンツ」という概念があります。
ニーズには、大きく分けて顕在ニーズと潜在ニーズの2種類が存在するので、先にウォンツについてご説明します。ウォンツとは、「○○が欲しい」の○○が明確になっている状態です。私の場合は、財布が欲しいという具合です。ウォンツは、ニーズを満たすための手段とも言えます。
次にニーズについてです。まずは顕在ニーズ。字のごとく、すでに顕(あらわ)れているニーズのことですが、例えば「今使っている財布だとかさばって重たいしカードの出し入れがしにくいから、すっきり収納できる財布が欲しい」というのがそれにあたります。こういう機能(時にはデザイン、時には素材など)が必要だと自覚している状態です。お客様は、自分が抱えている問題を解決してくれそうな商品を探しています。つまりこれは、目的が明確になっている状態です。一方で潜在ニーズとは、未だ隠れていて本人も自覚していないニーズのことです。「(物理的に)常に身軽でいたい、そして移動を少しでも快適にしたい」とかですね。この潜在ニーズこそが、ターゲットの本質的な目的なのです。

お客様にとって価値のあるものを見つける=潜在ニーズを知るには、お客様の声を聴くことが大切だと思います。お客様自身ですら気づいていないニーズなので見つけ出すのは簡単ではありませんが、お客様の声=顕在ニーズにはヒントが隠されている場合があります。そこから想像力をフル回転させましょう。新規参入でまだお客様が少ないという方は、周りにいらっしゃるターゲットに近い方に率直な意見を聞いてみるのも手です。

商品に新しい価値を付ける

ターゲットを絞り、そのターゲットの潜在ニーズが想像できたら、商品に新しい価値を設定してみます。
今回の場合は先ほど例に挙げた、「常に身軽でいたい、そして移動を少しでも快適にしたい」という潜在ニーズから、「キャッシュレス時代の新定番 極薄コンパクト」という新しい価値を付けることができそうです。また、これがその商品のコンセプトにもなり得ます。この新しい価値・コンセプトをもとに、商品づくりをしていきます。

こうして見ていくと、開発すべきは財布ではなく、「カード収納に特化した別のもの」なのでは?という新たな視点が生まれたりします。お客様が本当に欲しいものと、作り手が売りたいものとの間にはギャップがある、なんてよく聞く話ですよね。

コンセプトに沿った商品が出来上がったら、今度はターゲットに気づいてもらうことが大切です。潜在ニーズを顕在ニーズへと移行させ、顕在化されたニーズをウォンツまで引き上げるのです。そして引き上げたときに、そのウォンツがただの「財布」ではなく、「○○の財布」もしくは「○○のカードケース」(○○はあなたのオリジナルブランド)となるように誘導するのです。そのためには新しい価値やコンセプトを打ち出すだけでは不十分でしょう。そこでのポイントは、ユーザーへの押し付けではなく、語り部となってストーリーを伝えることです。ストーリーによって生まれる共感や感動がユーザーを動かします。実際私も一消費者として、その商品の背景にあるストーリーに惹かれて購入するということがよくあります。そしてそのストーリーを言語化するのが、ライターとしての私の役目のひとつだと思っています。

次回に続く

ここまでお客様に選ばれる商品を作り出すための考察を展開してきましたが、そのためにはターゲットを惹きつける新しい価値と、それを伝えるストーリーが必要不可欠だということが見えてきました。新しい価値を見つけられたからそれで終わりではありません。その価値をいかに伝えるかがとても大切になってきます。
その辺りのことを含め、次回の記事では「価値を伝えること」について詳しく書いていきますね。