3Dプリンターを3年間使って思ったことや何ができるかなど

スタッフブログ

皆様はじめまして。4月から入社した森山です。

私が学生の時はロボットコンテストに出場していたのですが、その間で学んだ個人的に興味深い内容をブログに書いていけれたらなと思っています。
最近テレビや記事などで3Dプリンターを使用して作られたものが取り上げられることが多くなってきましたが、「一体3Dプリンターってどんなものなの?」と首をかしげる方も多いと思います。
実際、私も初めて3Dプリンターを見たときは未知との遭遇のような感覚でしたが、いざ使ってみるととても奥が深く、ぜひ紹介したいと思ったのでまとめてみました。

3Dプリンターって何?

みなさんは紙などに文字や絵を印刷する通常のプリンターはご存じだと思うのですが、3Dプリンターは立体物をそのまま印刷するプリンターです。
まず一言に3Dプリンターと言っても多くの方式に分かれており、光造形法、粉末法、熱溶解積層法(FDM法)、シート積層方、インクジェット法の5種類に分かれています。しかし、現在家庭用3Dプリンターとして多く採用されているのは熱溶解積層法(FDM)と光造形法の2つです。
また、どの方式にも言える点として、下から1層ずつ印刷をしていく方式であるのは変わらないため、強弱はありますが積層痕が見えるので同じ材質を使用しても金型などを用いて製造された製品より見た目に違和感があったり触り心地が変わったりします。

3Dプリンターの仕組みについて

3Dプリンターの仕組みですが、今回は家庭用で多く使われている熱溶解積層法と光造形法の2種類に注目して説明していこうと思います。

熱溶解積層法(FDM)の仕組み

熱溶解積層法では、熱可塑性樹脂を溶かしながら押し出して積層していき、立体を作ります。この方式で主に使われる素材として、
・ABS樹脂
・PLA樹脂
の2つが挙げられます。

ABS樹脂は主にプラモデルやプラスチックケースなどに使用されていて、溶けているときの粘りが強く、造形後に加工がしやすい点が特徴です。

PLA樹脂は主に農業用シートやハウス用フィルムなどに使用されていて、トウモロコシやジャガイモなどから作られるバイオプラスチックの一種なので地中に埋めることで微生物によって分解されることが特徴です。

光造形法の仕組み

光造形法では紫外線を当てることで液体の光硬化性樹脂を硬化させて1層ずつ積層していくことで立体を作ります。この方式の中でもさらに、
・自由液面方式
・吊り下げ方式
の2つの光の当て方があります。

自由液面方式はベッド(印刷するときの地面)が水面から始まり、水面からレーザーを当てることで硬化させます。1層の印刷が終わるとベッドが下に下がり1層目の上に積層するという流れの光の当て方です。

吊り下げ方式はベッドが水槽の底面から始まり、水槽の底面からレーザーを当てて硬化させます。1層の印刷が終わるとベッドが上に上がり、また積層するという流れの光の当て方です。

それぞれの方式がありますが今のところ吊り下げが多く採用されている例をよく見ます。理由としては、吊り下げでは必要最低限の液体を使用するだけで済み、さらに上方向への拡張性を考える上で悩む点が1つ減るからだと思います。

また、これらの積層の仕方とは別に紫外線の当てによっても方式が分かれていますが、それらの多くは面に対して硬化させるので吊り下げ方式である必要があるため多く使われているのかもしれません。

それぞれの使い道

熱溶解積層法と光造形法を説明しましたが、結局のところどんな使い道があるのかが重要だと思います。実際特徴がお互いに違って、用途が大きく変わります。

まず熱溶解積層法では熱可塑性樹脂であれば大体の樹脂が使用でき、上で説明した2種類意外にもペットボトルなどで使われているPETや、柔らかいスマホケースなどで使われているTPUなどがあります。その点光造形法では、主にレジンを元にしてABSのような特徴を持たせたりゴムのような特徴を持たせたりなどすることでバリエーションを増やしていますが、結局元がレジンであることは変わらず、根本的な強度面や応用性では熱溶解積層法に負けると思います。

しかし、光造形法では熱溶解積層法に無い複数個の同時印刷の速さと精度の良さがあります。熱溶解積層法では印刷時にプリントヘッドとベッドが物理的に動いて印刷が開始したり造形したりしますが、光造形法ではレーザーの照射とベッドの可動でいいので複数の印刷でも影響は少ないです。また、元の材料が液体かつ熱溶解積層法ほど高温にならないため収縮も少なく、なめらかに造形することができます。
それぞれにいい点悪い点がありますが、これらはあくまでも用途によって差が出てくるレベルだと思います。

この2種類の方式の注意点として、サポート材という急な曲面や宙に浮いた部分の印刷を可能にするための補助材を追加で印刷する場合もあります。これは印刷中に必要な部分なので印刷が終了すると破棄します。なので印刷の向きなどを考えてできる限り少なくする必要があります。

実用編

ここまで様々な特徴を説明してきましたが、「結局のところどんな物が作れるんだろう」と思われていると思います。ここで私が実際に熱溶解積層法の作ってきた物をいくつか紹介したいと思います。

まず始めに作ったのはスマホスタンドです。形式としてはまだ3DCADも初心者だったこともあり裏面の板の挿す穴を2か所用意しておき、差し替えて角度調整するといったものですが、しっかりと角度調整も出来、スマホの保持もしっかりと出来ました。

他には、家庭用ゲーム機のコントローラーを持ちやすくするグリップなども作成して印刷しましたが、こちらは曲面などが絡んでくる関係上、印刷時に生成されるサポート材が多く痕が少し目立ってしまいました。

また、インターネット上で公開されている3Dデータを用いてモデルガンなども印刷したのですが、サイズが大きく複数の印刷パーツを組み合わせるタイプだったため、熱溶解積層法が故の反り返りや寸法誤差によってあらかじめ用意していたつなげる部分の穴や棒が合わなかったりしてやすり掛けをしたりととても大変でした。

まとめ

私が実際に使用したことがあるのは熱溶解積層法の3Dプリンターだけなのですが、2万円台で実際に3Dデータから立体が作れるのはとても感動しました。昔は一般には手に入らない最先端技術だった3Dプリンターも今やちょっと手を伸ばせば買える時代です。この記事を見て少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。