3Dプリンターで浮いて失敗する原因と対処法8選

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こんにちは 最近友人からのパソコンの相談が常に2件以上ある森山です!
今回はFDM(熱溶解積層法)3Dプリンターを使用した際に起こりうる不都合や印刷ミスなどの例と対処法について説明していこうかと思います。

初めに

3Dプリンターを使っていて失敗する割合は、値段や機能によって大きく変わります。なぜかというと、良いプリンターには自動調整機能があるからです。例えば上下の高さ設定であればセンサーで自動的にちょうどいい位置に毎回合わせてから印刷してくれたり、もし印刷していてフィラメントが切れたら印刷を一時停止して教えてくれたりします。ただそれらはまだ安い3Dプリンターには多く搭載されていないので自分で調整しなければいません。しかし、自分で適切な調整ができるようになればどんなプリンターでも失敗する確率は大きく減ります。ということでメンテナンスに必要な知識を得ていきましょう。

良く起こる失敗

3Dプリンターを動かしていて多分一番多く発生するのはビルドプレートから浮いてしまうことだと思います。しかし、一言に浮くといっても様々な原因があります。

  • 基準の高さが高すぎて1層目がビルドプレートについていない
  • ビルドプレートが汚れているorツルツルすぎてくっつかない
  • 印刷する材質が冷えて反り返る

などです。1つずつ見ていきましょう。

基準の高さが高すぎて1層目がビルドプレートについていない

これはプリンターの初期設定時にうまく調整できていなかったり、長期間使用しているとずれてきたりすることが原因で起こります。よくある調整方法で、ノズルとビルドプレートの間にプリント用紙(0.1mm)が通るようにすると上手くいくらしい……のですが、初めての人にはこれが難しく、ビルドプレートの四方のねじを順番に何度も細かく調整しないといけません。例えば右手前のねじを少し締めただけなのにしっかりと合っていた左奥がズレたり。これはもう何度も何度も調整していって4か所が妥協できるところまで合わせるしかないんですが、その妥協点が甘いと印刷の失敗につながってしまいます。

ビルドプレートが汚れているorツルツルすぎてくっつかない

これもよくある失敗原因です。これには3Dプリンターの選択にも影響してくるのですが、ビルドプレートには大きく分けて2種類あります。

  • ガラスタイプ
  • デコボコタイプ

この2種類以外もあるかもしれませんが多いのはこれらだと思います。

まずガラスタイプではツルツルすぎてまず1層目すらくっつかない可能性が高いと思います。ということで凹凸を作る方法を考えましょう。私がおすすめするのは

  1. 糊を塗る
  2. マスキングテープを張る
  3. 3Dプリンター用の定着シートを買って貼る

のこれらをお勧めします。表面を削るという方法もありますが、ガラスの表面を削ると後戻りができない上に、上手くいかずに糊を塗ることになったとき削った分多く糊を消費することになるのであまりおすすめしません。

次に、デコボコタイプはガラスタイプと比べるとものすごく定着しますが、定着しすぎるせいでビルドプレートからはがすのが困難になるほどの機種もあります。しかし、何度も使用していると表面がだんだんと削れたり1層目のフィラメントがビルドプレートのデコボコ面に詰まってツルツルになってきます。そうなってくるとビルドプレートにくっつきにくくなっていき、最終的にはくっつかなくなってしまいます。そうなるとビルドプレートを買い替えるという選択肢が出てくるのですが、ビルドプレートも安くはありません。しかし、印刷ができない原因はツルツルで凹凸がないからです。それならデコボコを作ってしまえばいいということで、ガラスタイプと同じ方法でも対策ができます。

印刷する材質が冷えて反り返る

これはABS樹脂などの収縮しやすい素材で起こりやすい失敗です。
これもまた複数の解決法があります。

  1. ヒートベッドを使用する
  2. 袋をかぶせる
  3. 冷却ファンを弱める
  4. 大きいものを印刷しない

対策法

ここまでは様々な失敗などを紹介してきましたが、良い印刷をするためにはこれらを発生させないように対策する必要があります。なので、ここからは対策について説明していきます。ただし、あらかじめ説明しておきますがこの対策法は私の環境で試しただけであり、私の環境は皆様の環境とは違うためまったく同じ設定をしてもうまくいかないかもしれません。ですが、ここで紹介しているのは実際に私がやってみて効果があったものを並べています。うまくいかない場合は微調整がうまくいっていない可能性があるので頑張って調整してみてください。

ノズルを直合わせする

ベッドの高さ調整は慣れと感覚がある程度大切だと思うのですが、どうしても上手くいかない時の私なりの調整方法を紹介します。ただし、本来の目標であるプリント用紙1枚分(0.1mm)にはならず、上下の寸法誤差が発生しますので正確な値が欲しい場合はやらないでください。
まずビルドプレートの内側を、できるだけ大きく描くように印刷するモデルを用意して、印刷を始めます。そして印刷が始まってから調整ねじを回し、ノズルの圧力を見ながら調整します。全体が均等に印刷できるようになったらそれで完成です。この方法でやればある程度は印刷ができると思いますが、必ず1層目のうちに調整するようにして下さい。2層目に入ってしまうと正確な高さが分からなくなってしまうのでもし間に合わなかった場合は一度印刷を止め、残骸を取り除いてから印刷をし直しましょう。

ビルドプレートに糊を塗る

1層目をビルドプレートに定着させるテクニックの、糊を塗る方法ですがこれは粘着でくっつける訳ではないです。乾いた後の凸凹を使って定着させるテクニックですが、実はとても個体差が激しいです。自分の3Dプリンターに合った糊もしくは使いたいフィラメントに合った糊を選ばないといけないので少し大変かもしれません。何度かやって自分だけの最適解を探すといいと思います。例として私の環境では、糊を縦と横に1回ずつ塗って乾燥させてから印刷を始めるとうまくいきます。糊を均等に、多く塗りすぎないようにすると上手くいきやすいです。

マスキングテープを張る

同じくビルドプレートにマスキングテープを張る方法ですが、後述の3Dプリンター用の定着シートの廉価版みたいな感じです。というかこれだけでも結構くっつきます。マスキングテープって粘着面じゃ無い方がデコボコしてるんですが、そこの面にわりとくっついてくれます。
この方法は、使い続けていると上からの圧力で表面が平らになるのでたまに張り替えてあげるといいと思います。

3Dプリンター用の定着シートを張る

このビルドプレートに3Dプリンター用の定着シートを買って貼る方法ですが、個人的には大好きです。一度調整したら環境にもよるところはありますがずっと安定します。実体験として、50回程同じ場所で印刷しても安定していました。ただ上記の糊やマスキングテープを使った方法だと100均などでも購入できるため安くすることができますが、シートでは良いものだと安くても1枚500円~1000円以上するので初期投資で値段がかかります。ただ、安定感が欲しいならこの定着シートは確実におすすめできます。

ヒートベッドを使用する

ABSなどの素材で反ってしまうのにはヒートベッドを使用するのが1番効果があります。というか逆にない場合高確率で失敗するかと思います。このヒートベッドを使用する意味としては、ノズルの230度前後から印刷して気温の25度ぐらいまで一気に下がるのを防ぐ効果があります。とりあえずこれ以降の反り返り対策ではヒートベッドを使用する前提での対処法となります。

袋をかぶせる

3Dプリンター本体に袋をかぶせて一定の温度に保つという原始的な方法ですが、これが結構効果があります。外気との壁を作ることで、夏場のクーラーなどが効いた部屋などでも印刷が可能になります。また、ヒートベッドやノズルの温度を維持するために必要な電気を節電することもできますが、この方法には弱点があり電源回路や処理部分まで覆ってしまうと、熱暴走で3Dプリンターが破損する可能性があります。処理部分などを覆ってしまわないよう穴を開けたり切り込みを入れるなどして、気を付けながら袋をかぶせるようにしましょう。

冷却ファンを弱める

この冷却ファンを弱めるという方法ですが、上記の方法でうまくいかなかった場合にやりましょう。これは調整を失敗すると印刷物が崩壊する可能性があります。なぜ冷却ファンを弱めると効果があるのかというと、ヒートベッドに近い面の印刷物を必要以上に冷やさないようにすることで反り返りを防ぐことができるからです。しかし、弱くしすぎると次の層の印刷を始めたときにまだ前の層が固まらず失敗してしまいます。この調整はあまりやりたくはないですがどうしてもだめな時はやるしかない調整です。

大きいものを印刷しない

これまでの設定や調整をやってもうまくいかない場合は、大きいものを印刷しないというのも一つの選択肢かもしれません。FDM方式の3Dプリンターでは面積が大きくなればなるほど反り返りやすく、高ければ高いほど積層割れが起きやすくなります。また大きいと1層を印刷する時間が長くなり、外気によって自然冷却されて反り返りやすくなります。なのでもし大きいものを印刷したい場合は反り返りにくい材質を選択するか部品ごとに分割して印刷する、もしくは上記のメンテナンスを究極まで煮詰めるなどする必要があるかと思います。

まとめ

私が今まで体験してきたことのある失敗はこれだけではありませんが、何度も起こった失敗はほとんど挙げられたと思います。最近3Dプリンターを買ったという人はあまりこれらの対処法がわからないと思うのでこの記事の内容を見て少しでも改善できたらうれしいです。それでは、良い3Dプリンターライフを!