すぐそこまで来ているクロスリアリティについて

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皆さんこんにちは。まだまだ勉強ばかりの毎日を送っているソフトウェアエンジニアの森山です。今回は今どんどん進化しているクロスリアリティ(XR)という技術について紹介していこうと思います。

クロスリアリティ(XR)とは

まずクロスリアリティ(以下XR)という言葉はあまり聞きなれないと思うのですが、拡張現実(AR, Augmented Reality)や仮想現実(VR, Virtual Reality)という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。このXRとは、ARやVRなどの技術を総称した言葉です。他にも複合現実(MR, Mixed Reality)や代替現実(SR, Substitutional Reality)といった言葉も含まれているので説明していこうと思います。

拡張現実(AR)とは

拡張現実とは、実際の世界に情報を映してそこにものがあるように見せる技術のことです。例えばゲームアプリのポケモンGOや、カメラアプリのSNOWなどがAR技術と言えます。ポケモンGOでは現実の世界にポケモンが現れたかのように映されたり、SNOWでは顔に耳や鼻などを追加して写真が撮れます。この、実際はそこに無いのにあたかもあるかのように見せることができる技術がARと呼ばれています。

他には、「スマートグラス」や「ARグラス」という眼鏡や網膜に直接映像を映して現実を拡張する商品も売られています。例えばスポーツ向けのスマートグラスでは、風向きや気温などの情報を映すことができて、運動中に端末操作がいらないというメリットがあります。しかし、眼鏡型なのでもともと眼鏡を付けている人は同時に使用できないというデメリットがあるのでコンタクトレンズにするか度が入れられるグラスを購入しないと快適に利用することは難しいかと思います。商品のイメージとしては名探偵コナンの眼鏡や、ドラゴンボールのスカウターみたいなもので実は昔から知っていたという人もいるのではないでしょうか。

仮想現実(VR)とは

仮想現実とは、仮想の世界を現実のように体感することができる技術のことです。VRの例として1番最適なのはやはりVRゴーグルだと思います。VRゴーグルとは、360度どこを向いてもそれに合わせて視点が動き、本当にSFの世界や戦国時代などにいるように感じることができる商品です。私もPC用のVRゴーグルを持っているのですが、本当に仮想世界に入ったような感覚になれます。また、仮想空間なので物の大きさなども自由にでき、映画館のスクリーン前みたいな大きな画面で動画を見ることもできて普通ではありえない感覚を味わうことができます。しかし、目を完全にゴーグルで覆ってしまうので手を振ったときに物に当たったりすることがあるので注意が必要です。

また、VRは頭にかぶるヘッドマウントディスプレイ以外に、スクリーンによるVRもあります。例としてアーケードゲームの「機動戦士ガンダム 戦場の絆」では、半球スクリーンの中央に座ってガンダムを操作します。VRゴーグルとは違い周りにスクリーンがあるので手元のレバーやペダルを目視で確認できて、「現実と物の配置が違ってぶつかる」事が無いという利点があります。

複合現実(MR)とは

複合現実とは、現実世界と仮想世界を複合させる技術のことです。例えば、SF映画などであるホログラフィックの設計図を操作する技術がMRといえます。これを聞くとARに近いのではと思うかもしれませんが、ARではただ映像を表示しているだけなので機械を操作しなければ映像を動かせません。

しかし、MRでは見えている物をつかんで動かせば本当にそこにあるかのように動かすことができます。これをミーティングなどで上手く使うことができたらイメージを伝えやすくなるかもしれません。

それを実現しようとしている商品が「HoloLens 2」です。これはMicrosoft社が作っている商品で、Windows 10が内蔵されているので仮想空間上でコンピュータの操作ができます。なので通話画面を確認しながら作業をしたり、手順を表示して横に並べながら作業することで効率的に進めることもできます。しかし、この商品はまだ企業向けなので一般の人が手を出すには高く、手軽にMRを始めることは難しいかと思います。

代替現実(SR)とは

代替現実とは、「視覚と聴覚をハッキングして、好きな情報を流し込み、それを現実として体験させるシステム」だそうです。例として、体験者が座っている場所から録画していた過去の映像と現在の映像を交互に表示したり、合成した映像を映すことで体験者をだますという実験がありました。

この技術のすごいところは「仕組みを知っていてもだますことができる」ところだと思います。この実験の際、被験者をだました後、過去に録画しておいたネタ晴らしする博士を見て現実だと認識したそうです。

このように、SRでは視覚や聴覚を機械越しにして現実のハードルを下げることでリアルなCGを自然な体験にすることが可能だそうですが、どれが現実でどれが仮想の映像なのかがわからなくなることで体験後は疑心暗鬼になる人も多いそうです。注意点はありますが、とても面白い技術だと思います。

XRは今後どうなるのか

ここまでXRについて説明してきたのですが、やはりAR技術やVR技術は多くの人に周知もされています。反対にMRやSRは定義があいまいだったり研究中だったりでまだ確立された技術ではなさそうです。その一方で、XRという言葉は今後広まっていくのではないかと予想します。なぜなら、MRやSRなどの新しい言葉が増えていけばややこしくなっていくため、一言でまとめられる言葉が利用されるのは十分にあり得るからです。

今後のAR技術ですが、現在使用されているものにタグのAR化があります。これはチャンギ国際空港という所で実際に運用されているのですが、コンテナにあるQRコードをスマートグラスで読み取ることで積み方を瞬時に確認ができるそうで、1フライト当たり15分も短縮できるそうです。自動化が進む物流ですが、まだ人手が必要とされている部分にもこのように新しい技術を取り入れることで時間を効率よく使えるようになり、人間の負担も減っていくのではないでしょうか。

次にVR技術についてですが、最近の自粛期間のおかげもあってか、過去に知らなかった人がVR上でのマーケットを知ったり、商用VRコンテンツの閲覧数が3.3倍になったという情報も出ています。この体験を経て、自粛期間が終わった後でもVRコンテンツを継続して使用する人も少なくないと思います。その人たちがVRコンテンツを楽しむ事によって開発側の規模もこれから大きくなっていくのではないでしょうか。

MRについてですが、上で紹介したHoloLens 2にはホログラフィックを処理する専用のチップが搭載されていて、より快適にMR空間を体感することができます。しかし、まだ開発年数が浅く万人が満足する性能では無いようなのでこれからも研究は続いていくと思います。今後この技術を有効活用する実例が増えていけばMRの普及に繋がっていき、他社も参入して本格的な開発が始まるのではないかと思います。

最後にSRですが、正直実現はかなり先になると思います。たとえ実現しても一般家庭に販売するには注意事項が多く、一歩間違えれば危険なものになりうるので医療現場や教育現場などでのみ利用されるのではないかと思いますが、一度は体験してみたい技術でもあります。

今までARとVRの名前だけ聞いたことがある人も多かったかと思いますが、知らないうちに体験していたなんてこともあったかもしれません。もしこれに興味を持ってくれたらぜひ一度調べてくれると嬉しいです。