そのネーミング大丈夫? 商標登録されているかを簡単に確認する方法

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こんにちは、ライターの花房です。
私ごとですが、最近子どもが生まれまして、どんな名前を付けようかいろいろと悩みました。一生残るものですし、何十個も案を出して命名しました。一度これだと決めてしまったらそれ以外考えられないというか、日に日に愛着が湧いてくるものですね。いつかその名前の意味が分かるようになったら子どもに教えてあげたいなあ、なんて思っています。

ところで、新しい商品やサービスを開発した際にも、ネーミングって必須かつとても重要ですよね。実は弊社、現在新しいシステムを開発中なのですが、どんな名称にしようかとこれまた悩みました。社内で公募なんかもしてみたり。ようやく、これだ! と決まりかけたと思ったら、「商標」という壁に阻まれたのです。

ということで今回は、商標について簡単に触れた後、苦労して考えた名称が商標登録されているかどうかを確認する方法について紹介していきます。

商標とは

まずは商標について押さえておきましょう。

商標(しょうひょう)は、商品や役務を提供される需要者に、提供者を伝達する標識。
出典:商標―Wikipedia

つまり商標とは、この商品またはサービスは私たち(=提供者)のものですよとユーザー(=需要者)に知ってもらうためのマークのことです。たとえば、ナイキやグーグル、ドラえもんなどです。NIKEのマークが入っているスニーカーを見たら、これはナイキ製だとすぐに分かりますよね。

ただしこの商標、商品やサービスに何かしらの名称を付けた時点で自動的に権利が発生するというものではありません。その権利(=商標権)が認められるまではあなただけのものではないのです。

商標権とは

商標権は、商標を使用する者の業務上の信用を維持し、需要者の利益を保護するため、商標法に基づいて設定されるものです。
特許庁に商標登録出願をし、審査を経て登録査定となった後、登録料を納付すると、商標登録原簿に設定の登録がなされ、商標権が発生します。
出典:特許庁ウェブサイト

上記のとおり、商標権が認められるには、特許庁に出願して審査を通過し、登録を受ける必要があります。ちなみに特許庁からの登録を受けた商標は、商標法によって他者の使用を排除できるようになるのです。
よって、あの名称かっこいいから使わせてもらおう、という安易な発想はリスクを伴います。場合によっては、商標権者に差止請求や損害賠償請求をされる可能性があるからです。

こんなのもダメ? ではどうする?

それならたとえば、頭に新しいという意味の「ニュー」をつけたら問題ないのでは? という反論もあるかもしれません。しかし、同一でないにしても登録商標と類似であることに変わりはないと判断されることも考えられます。ここで判断するのは、特許庁(商標審査官)や裁判所です。また、意図せずして、つまり偶然登録商標と同じ名称を使っていた場合でも、同じように商標権の侵害であると判断され、販売等の差し止めを求められたりする可能性があるのです。もしそれが自社の主力商品だったらと考えると恐ろしくなりますね。

一方で、商品やサービスが全く異なるものであれば、既に登録された商標と同じ名称であっても商標登録できる可能性はあります。なぜなら商標権は、商標が同一もしくは類似、かつ、商品・役務(=サービス)が同一もしくは類似である範囲において効力を発揮するからです。なんだかややこしくなってきました。

では、「これなら大丈夫!」「これはあやしいかも……」のジャッジはどうしたらよいか。最も確実なのは、商標の専門家である弁理士に調査を依頼することでしょう。ただしその場合、調査費用と時間的なコストの発生がネックになり得ます。
そのような方のために、知財総合支援窓口という、商標を含めた知的財産に関する悩み・課題について相談できる窓口もあります。こちら中小企業向けに各都道府県に設置されていて、相談なら無料でできるので心強いです。また、もう少し気軽に、商標が出願・登録されているかだけでも自分で調べたいという方には、独立行政法人工業所有権情報・研修館が提供しているデータベース、特許情報プラットフォーム J-PlatPatをおすすめします。

ここからが本題! J-PlatPatを使って検索

このJ-PlatPat、無料で簡易的な商標調査をすることができます。

ここからは、J-PlatPatを使って、出願・登録された商標を確認する方法について具体的にお伝えしていきます。ただし、この手順・やり方が完全に正しいと保証するものではありませんので、あしからずご了承ください。また、2020年7月末時点での内容となります。

それでは、新作の雛人形に「ぷりふあ」という名前を付けることになったと仮定して、類似の商標がないか実際に確認してみましょう。

手順① 区分番号を調べる

グローバルナビゲーションの「商標」プルダウンより、「商品・役務名検索」をクリックします。

検索キーワードの商品・役務名に、調べたい商品・役務のカテゴリ名を入力し、下にある検索ボタンをクリックします。調べたい商品は雛人形なので、「雛人形」と入力します。

検索結果から、調べたい商品・役務がどの区分に該当するかを確認します。雛人形の場合は「28」でした。

手順② 類似群コードを調べる

「商品・役務名検索」ページ上部、【参考情報】商品・役務の区分又は類似群コードに関する資料の「類似商品・役務審査基準」をクリックします。

つぎに、「類似商品・役務審査基準〔国際分類第11-2020版対応〕」をクリックします。

そして、手順①で確認した区分(=第〇類)をクリックします。

表示されたPDFから、調べたい商品・役務がどの項目に該当するかを確認できます。
その際、該当する項目の枠内に記載された類似群コードを記録しておきます。雛人形なら「24A01」ですね。

手順③ 称呼で検索する

グローバルナビゲーションの「商標」プルダウンより、「商標検索」をクリックします。

商標(マーク)の「検索項目」プルダウンより、「称呼(類似検索)」を選択。キーワード欄に調べたい商品・役務の名称をカタカナで入力します。称呼とは、商標の呼び名のことです。

つぎに、商品・役務のキーワード欄に手順②で記録した類似群コードを入力します。「検索項目」はデフォルト(=類似群コード)のままです。そして、下にある検索ボタンをクリックします。

手順④ 検索結果を確認する

検索結果一覧が表示されます。
検索ヒット件数が0であれば、調べた商品・役務の名称は商標として登録されていないことが確認できます。ただし、商標登録されていないだけで、世の中では広く周知されている名称である可能性もあるため、GoogleやYahooなどの検索エンジンでも検索してみることをおすすめします。

上の例では5件ヒットしました。No.1・2は、弊社が商標登録をおこなったものです。画像では切れていますが、No.3~5に出てきたのは、検索した名称と一文字違うなど類似した称呼でした。検索結果一覧(出願・登録情報)の検索ヒット件数が1以上であれば、一覧の「称呼基準」の数字を確認してみましょう。
称呼基準の概要は、「商標検索」ページ上部、【参考情報】の「利用上の注意」から確認できます。01~15の称呼基準があり、01は同一音、つまり完全一致を意味します。よって、その名称の使用は確実に避けた方がよいでしょう。称呼基準はこのような判断の一助になります。

以上がJ-PlatPatで商標を検索する手順です。
今回ご紹介したのはあくまで簡易な確認方法ですので、参考程度にとどめてくださいね。

ネーミングの際に考慮すべきこと

さいごに大切なことを一つ。商品やサービスの名称を考案する際には、逆の立場になって考えることが必要だと思います。つまり、自分たちが登録料を払って商標登録を受けた名称と全く同じ、あるいは類似している名称が勝手に他者に使用されているとしたらどう思うか。苦労して作り上げた新しい商品・サービスなのですから、誰にも文句を言われない名前を付けたいものですね。今回ご紹介したJ-PlatPatのように手軽に検索できるデータベースをまずは利用して、自社の商品やサービス名を調べてみてはいかがでしょうか。