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商品のパッケージを作る時に考えたこと

皆様こんにちは、デザイナーの宮脇です。
先月はとても暑かったので、電気代がいつもの倍になっていてお財布が涼しくなりました。今月は急に涼しくなったので、電気代を節約できるなと安心しています。

さて今回は、パッケージのデザインについてお話しようと思います。デザインといえば装飾のことになりがちですが、今回は弊社のオリジナル商品「prefer MOKU おひなさま15人」のパッケージをデザインした話をしようと思います。正解がない話なので、参考程度に見ていただければ幸いです。

デザインを紹介する前に


「おひなさま15人」は天然木を使用してつくられており、インテリアとしてかわいくおしゃれに飾って楽しむことができる雛人形です。パーツを重ねて楽しく飾ることができます。15人飾りタイプですが、とてもコンパクトなので飾る場所を選ばないのもポイントです。


パーツは全部でこのような感じです。人形の胴体が18個、人形の顔が15個、人形の顔と胴体を固定するための棒が15個、飾り台の板が3枚、飾り台を支える凹凸パーツが8個、ひしもちが2個、ぼんぼりが2個、さくらが1個、クローバーが1個、木札が1つ、ハンマーが1つ、屏風が8本です。パーツはコンパクトなのですが、数が多い商品となっています。


また、今回は梱包や収納の事も含めてデザインをしました。すべてのパーツを収納するためと、高級感を出すために、段ボール箱ではなく木箱を選択しました。また、木箱に傷を付けないようにするためと、中に何が入っているか分かりやすくするために外装箱もつくることにしました。詳しくは後ほど説明します。

パッケージを作るにあたって考えたこと

パッケージデザインを考える中で、
・配送中に商品が破損しないこと
・お客様が商品を出し入れしやすいようにすること
・検品の際に足りない商品等を分かりやすくすること

この3つを意識しました。どれも当たり前のことですが、大切なことですね。上から順に詳しく説明していきます。

配送中に商品が破損しないこと

工場から弊社に届くときや、弊社からお客様の手元に届くときの事ですね。長い間揺れたり衝撃があると思うので、そこを想定して考えなければいけません。箱の空間がありすぎると、商品同士がぶつかった衝撃で壊れてしまう可能性があります。なので、なるべく商品が揺れないように、工夫することが大切です。

お客様が商品を出し入れしやすいようにすること

年中出しっぱなしのものならともかく、時期が過ぎれば片づけてしまうものなら収納のことを考えなくてはいけません。箱に出し入れすることを考えると、あまり窮屈になってしまっては商品を箱から取り出すことが出来ず不便ですよね。毎年飾るものなら、飾るのが面倒になってしまいます。窮屈にしすぎないことが大切ですね。また、飾ってない間は押し入れ等に仕舞っておくことになるので、全体のサイズが大きすぎると邪魔になってしまうことも考えておきたいです。

検品の際に足りない商品等を分かりやすくすること

商品のパーツが多いと工場での検品をすり抜けてしまい、パーツが足りなかったり間違えてしまっていることがあります。あってはならない事ですが、作業をしているのは人間なので間違えるのは仕方がないですね。ですが、ある程度グループ分けされていれば、検品が簡単なのですぐに気付くことができます。

実物のサイズでデータを作る

上記の3つを頭に入れつつ、パッケージの大まかなサイズを考えていきます。サイズの計算がしやすいように、Illustrator上でも実際のサイズで制作していきます。いまいちサイズ感が分からないと思ったときは印刷してみれば分かりやすいと思います。印刷するときのためにも実物のサイズでのデータ制作をおすすめします。あまりに大きくて印刷が難しいもの等は、自分が計算しやすい大きさで制作してください。

①木箱のデザインについて


木箱のサイズは一番大きいパーツに合わせて制作します。この商品で一番大きいのは飾り台の一番下の板ですね。飾り台の板は縦にして収納するより、横にして収納したほうが安定するので、今回は横幅と奥行は飾り台を基準に考えました。上記で説明したように似たようなものはまとめたほうがいいので、飾り台の板はまとめて下に、その他の小さめのパーツを上に置き、仕切りを作って2段にしました。上の段には、小さめのパーツ同士が激しく動かないようにするための仕切りも付けています。


下の段は、丸い形の飾り台を入れているので、四隅に空間ができます。なので飾り台の固定と、上の段を支えるための支えを配置しました。


上の段は、各パーツが見やすい配置と、なるべくパーツが動かないようにするための仕切りをしています。この仕切りは上から落とすタイプなので、上の段を取り出すための取っ手の役割もあります。箱のサイズの都合で少し空間が空いていますが、パーツごとに梱包されるため、傷が入ったり割れたりすることは少ないと思います。画像は撮影の都合上、梱包されていませんが実際の製品は梱包されています。


蓋は厚みを少しでも抑えるためにスライド式にしています。左のイラストを見ていただければわかると思いますが、出っ張り部分に指を掛けて引くと蓋が開く構造です。安っぽいイメージにしないために蓋の装飾はロゴマークのみにしており、印刷ではなくレーザー刻印にしています。

②外装箱のデザインについて


外装箱は木箱がぴったり入るサイズです。箱の形は、キャラメル箱ではなく身フタ式にしています。身フタ式の箱とは、蓋箱と身箱の2つに分かれている箱の事です。身フタ式の箱は2つに分かれているため強度が増すのと、高級感があるので今回はこの形にしています。


全面にフルカラーでデザインを印刷してしまうとおもちゃっぽく見えてしまうので、今回はクラフト紙に、製品をイラスト化したものを1色で印刷しています。お雛様の時期が春なので、桜を周囲にちりばめて可愛らしくしていますが、比較的シンプルなデザインにしています。箱の裏には、製品についての注意事項や使用されている素材、会社の情報を入れています。

パッケージデザインも考えることが多い

この商品を開発していたのは昨年の事なのですが、なかなかまとめる機会がなかったので今回の記事でまとめてみました。なぜ製品ではなく、パッケージデザインについてまとめたかというと、製品は勿論考えることが多いのですが、パッケージを作るのも意外と考えることが多かったからです。私自身、パッケージデザインを作る前は箱の装飾を考えて終了だと思っていたのですが、サイズや仕組み、製品の梱包など気にしないといけないことが多くてとても大変でした。今までは何か商品を買っても見た目だけ気にして、構造などは気にしたことがなかったのですが、世の中に出てる商品のパッケージは色々と考えられているんだなと、とても勉強になりました。勿論私1人で考えたわけではないので、商品開発チームの皆様にはとても感謝しています。パッケージにもこだわっているので、商品を購入された方には是非そちらも見て、大切に扱っていただきたいです。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。

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